2015年度冬休みに読む本② ケン・グリムウッド「リプレイ」(新潮文庫)

「人生が二度あれば」って何の言葉だっけ?(「傘がない」の人ですね)

 

リプレイ (新潮文庫)

リプレイ (新潮文庫)

 

主人公ジェフリー・ラマー・ウィンストン(ジェフ・ウィンストン)43歳は、 「何か重い物が胸にどかんとぶつかった感じがして(p5)」死んだ。

はい、一行目で主人公死にました。それは1988年の秋のニューヨークでのこと。

そして目が覚めるとそこはアトランタの大学の寮のベッドの上。1963年の春、18歳の大学1年生に戻っていた。

43年分の記憶を持ったまま25年前の自分に戻れたら何をする?というSF小説です。

ジェフは動揺したまま、ルームメイトと話し(88年現在は亡くなっている)、アトランタ一高いビルに向かうもそれはまだ建設されておらず、当時のガールフレンドとデートに行くがけんか別れする。これからどうする自分、88年には通用しなくなる知識を身につけるため勉学に励むしかないのか?!

そしてジェフは全財産を競馬につぎ込む。わかりやすくBTTFのビフ・タネンのようになります。

 

1988年も、1963年に負けず劣らず、2016年からしたら遥か昔になってしまいました。昨日の記事と同じく、原著がアメリカで出版された88年当時18歳で読んだ人は、今現在冒頭のジェフよりも年上の45歳になりました。18で読んだ感想とどう変化するだろう。

2016年に18歳で読んで、2041年(おぅ、東京オリンピックが20年前になってる世界だ)に43歳で読む。

 

ここで「人生が二度あれば」です。井上陽水の歌詞は両親を想っての場面。そして似た内容の映画は「セブンティーン・アゲイン」「バタフライ・エフェクト」「シャッフル」など。(わからなければ、目の前の箱なり手のひらサイズの文明の利器なりを駆使して調べよう。知的好奇心は大事。)

しかし、それらと本書が違う点は、ジェフはそんなこと望んでいなかったということ。実際そんな状況になったら、1991年の自分の肉体に飛ばされるのですよ。そこから人生一発逆転できるだろうか?考えてみてください。