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旭川龍谷高等学校図書局blog 本の虫

卒業式は3月1日(水)です。

2014年度新着本7・上原善広「路地の教室 部落差別を考える」(ちくまプリマー新書)

路地の教室―― 部落差別を考える (ちくまプリマー新書)

路地の教室―― 部落差別を考える (ちくまプリマー新書)

 

 北海道に住んでいると、『路地』(作家の中上健次が使った言葉だそう)はもちろん、『部落差別』って何???という感覚です。もちろん小中学校の授業で知識として習ってはいるものの、『部落』という言葉ですら、北海道では単なる『○○市内、町内における○○地区』を指す言葉ですからね。

(司書はこの事柄を中学の社会で『全国水平社』とともに習ったとき、『なななんだ!?部落って使っちゃいけない言葉なのか?周りの大人は普通に使ってるぞ』と非常に居心地の悪い、疑問ばかりが残った記憶があります)

 

そんな、面と向かって人に聞いていいのかすらわからない『部落差別』について、実にわかりやすく説明してくれているのが本書です。(さすがちくまプリマー新書だ!)

一限目 路地とは何か

二限目 路地を書くこと

三限目 路地のルーツ

四限目 同和教育と解放教育

五限目 同和利権

六限目 差別とは何か

 

北海道にはそんなもの無いからいいや(上原氏によると、北海道に路地は存在しないそうです)ではなく、将来日本全国に旅立つかもしれない中高生にはぜひ読んでもらいたい。また北海道に残る中高生も、それらの地域から来道[らいどう=他都府県から北海道へ来ること]される方とお話しする機会が将来あるかもしれないので、本書を読んでおいて損はありません。

北海道以外の方に『アイヌって髭もじゃで観光地にいる人でしょ』と言われて、『え?ああ、はぁ(もっと深い歴史があるんじゃー!怒)』となるのを想像すればわかりやすいかな。

知識は相手のためであり、自分のためにもなる。『知ること』は大事です。

 

本書で蒙が啓かれる(もう・が・ひらかれる=意味はLet's 辞書!)思いをした『六限目 差別とは何か』は部落問題以外の様々な差別にも当て嵌まる素晴らしい文章でした。この章は中高生にも本当にわかりやすい(もともとちくまプリマー新書は中高生向けですが) 表現で『差別とは何ぞや』を教えてくれます。

 

↓他者の書評はこちら

読書メーター・上原善広「路地の教室 部落差別を考える」(ちくまプリマー新書)

ブクログ・上原善広「路地の教室 部落差別を考える」(ちくまプリマー新書)

 

 

↓同じく上原氏著のこちらも所蔵しています。

被差別の食卓 (新潮新書)

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