2014年度新着本6・向井湘吾「お任せ!数学屋さん」(ポプラ社)
数学に秀でている転校生男子と数学ができない中学2年生女子のガールミーツボーイ小説。
『僕の夢は数学で世界を救うことです』と自己紹介でのたまった神之内宙(じんのうちそら)とそんな発言に唖然とするソフトボール部所属天野遥(あまのはるか)の二人が、教室で始めた『数学屋』としてクラスメイトのお悩み解決をしていきます。
数学ができない人間の言い分としては、『それが何の役に立つの?』が代表的なところでしょう。(司書も然り。ううう。)
この本の素晴らしいところは、ちゃんと数学が生活の役に立っている描写をメインにしているところなのです。
・遥が欲しいものは月○○○円×○ヵ月貯めれば買える、と節約術を伝授
・昼休みのグラウンド使用を巡る土地分割 √2=ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ
(宙は√5が風流と感じるそうです)
・サボる部員に悩む野球部キャプテンを『囚人のジレンマ』でお助け
・恋に悩む1年生男子から投書箱に手紙が入れられていた
ラストシーンで遥が成田空港を疾走するシーンはイイね!
キラキラドキドキ胸キュン小説じゃないですか!受験勉強に疲れた中学3年生諸君にもぜひ読んでいただきたい。(高3生は今それどころじゃない→センター試験まであと11日)『また漫画みたいな本読んで!』と目をつけられたら、数式が並んでいるページを見せれば大丈夫。『数学の勉強中だから★』
↓他者の書評はこちら
↓まだ入っていませんが、2巻もいずれ入れる予定です。